中国知財最新情報

【中国知財情報】2026年06月22日の最新動向

本日のサマリー

本日は中国知財の継続的な「高品質審査・デジタル規制強化・越境執行の実務化」傾向が確認されます。CNIPAによる審査速度と質の両立、商標の悪意出願対策、デジタル/生成AIに関する著作権運用の整備、法改正の議論継続、日系企業の越境執行・権利保全が実務上の主要課題です。最新原典の逐次確認が必須です。

重要
特許・実用新案

CNIPAの審査傾向:質の向上と重点分野での迅速化

CNIPAは依然として「審査の質向上」と「重点分野の迅速処理」を両立させる方針を継続しています。AI・半導体・グリーン技術・バイオ等は優先扱いが増えており、加速審査(priority/fast-track)やPCT国内段階での手続利用が実務上重要です。一方で新規性・進歩性の審査基準は厳格化傾向にあり、仕様書・実施例での技術的効果の具体化、先行技術との差異証拠の準備が必須です。出願戦略としてはクレーム階層の整備、代理人との早期エンゲージメント、分割出願や補正計画の事前立案を推奨します。

情報源:CNIPA公式通達・審査ガイドライン、業界レポート(要原典確認)

重要
特許・実用新案

審決・訴訟の実務動向:有効性争いと仮処分・差止めの活用増

近年の行政審判・地方高裁・知財法院の実務は、特許の無効審理と民事差止めを組合せた戦術が増加しています。早期差止め(仮処分)と並行して無効手続きを進めるケースが一般化しており、証拠保全や技術鑑定の準備が争点になります。標準必須特許(SEP)に関するFRAND紛争も継続しており、差止めリスクの評価、ライセンス交渉の文書化、補償額算定に関する事前準備が重要です。実務上は現地エンジニアと弁護士が合同で証拠戦略を構築することが有効です。

情報源:中国裁判所判例・審判決定集、知財法院公表資料

重要
商標

商標審査の重点:悪意・先使用・有名性の強化審査

中国商標局(およびTRAB)は引き続き悪意出願の排除と有名商標保護を重視しています。大量のブローカー出願に対する監控と拒絶・無効審判の利用が促進されており、先使用の事実(営業開始日・広告・証拠)の重要性が増しています。また著名性の証拠提出(市場シェア・広告費・検索データ等)が実務で重視されるため、国外企業は中国での利用実績やブランド保護活動を計画的に記録・提出する必要があります。監視・異議申立ての早期実施、慣行的な防御出願(コア商標の分割保護)を推奨します。

情報源:中国商標局公告・TRAB審理動向、業界ニュース

重要
著作権

デジタル著作権と生成AI:権利帰属・利用許諾の実務化

プラットフォーム責任やオンラインコンテンツ管理の厳格化が続いています。特に生成AI(deep synthesis)を巡る規制素案や実務ガイドラインの検討が進展しており、学習データの権利処理、生成物の帰属、ラベリング義務や説明責任が焦点です。企業は学習用データの権利クリアランス、契約での権利除外・保証条項、ユーザー投稿コンテンツの権利処理フローを整備する必要があります。プラットフォーム向けの迅速な通知・削除手続きと技術的証拠保存も重要です。

情報源:国家著作権局(NCAC)通達、デジタル規制関連素案、業界解説

重要
日中知財トピック

日系企業の実務課題:越境執行・模倣対策・共同研究の権利処理

日本企業は中国での模倣品対策、通関差止め、現地販売ルートの監視、ライセンス契約の明確化で課題が残ります。実務的には(1)税関への権利記録(recordation)と差止め手続き、(2)社内での証拠収集ルールと第三者鑑定の手配、(3)合弁・共同研究契約での帰属条項と秘密保持、(4)現地代理人と連携した商標監視/早期異議が有効です。日中当局間のIP協力は継続しているものの、個別事案では現地法運用が優先されます。弁理士・法務は現地化した対応フローを整備すべきです。

情報源:在中日本企業団体報告、日中行政協力プログラム概要、業界事例

注目
知財政策・法改正

法改正動向:特許法・商標法の改正議論と行政実務の整備

中国政府は引き続き知財を国家戦略の一角と位置付け、特許法・商標法等の改正議論を継続しています。注目点は実効的な救済(損害賠償算定方法の明確化)、刑事・行政執行の連携強化、デジタル分野での権利保護ルール整備です。改正は逐次段階的に公表されるため、出願人は草案のパブリックコメントと最終条文の差分を速やかに分析し、契約や権利戦略を更新する必要があります。国際条約実施面の整備(TPP相当の要素や国際協力)にも注目してください。

情報源:国務院・全国人民代表大会(NPC)ドラフト公告、CNIPA発表

今後の注目ポイント

AI・デジタル分野の規制整備と審査実務の厳格化が今後の焦点。原典の逐次確認と現地証拠戦略が鍵です。

本日の知財用語 中日対訳リスト

本日の記事に登場する主要用語をまとめました

中国語(簡体字) 日本語 分野 説明
审查质量 審査の質
しんさのしつ
特許 出願の技術評価や判断の厳密さ・正確さを指す概念。
优先审查 優先審査(ファストトラック)
ゆうせんしんさ(ファストトラック)
特許 特定分野や条件で審査を迅速化する制度・手続き。
PCT国内阶段 PCT国内段階
ピーシーティーこくないだんかい
特許 PCT出願が各国で国内処理に入るための手続き段階。
新颖性 新規性
しんきせい
特許 発明が公知でないこと。特許性の基本的要件の一つ。
创造性 進歩性(創造性)
しんぽせい(そうぞうせい)
特許 当業者にとって容易でない技術的寄与があることを指す。
说明书、实施例 明細書・実施例
めいさいしょ・じっしつれい
特許 発明の開示内容。技術効果や実施方法を具体化する文書。
现有技术 先行技術
せんこうぎじゅつ
特許 公開済みや公知の技術。新規性・進歩性の対比対象。
权利要求层级 クレーム階層
クレームかいそう
特許 主従関係を持つ請求項の構成・階層化を意味する設計。
专利代理人 特許代理人(弁理士)
とっきょだいりにん(べんりし)
特許 出願・手続き代理や戦略立案を行う専門職・弁護士類似の職務。
分案申请 分割出願(分案)
ぶんかつしゅつがん(ぶんあん)
特許 既出願から権利範囲を分けて別出願する手続き。
补正计划 補正計画
ほせいけいかく
特許 審査過程での明細書やクレーム修正の事前方針。
专利无效宣告 特許無効審判(無効宣告)
とっきょむこうしんぱん(むこうせんこく)
特許 第三者が特許の無効を求める行政的審理手続き。
标准必要专利(SEP) 標準必須特許(SEP)
ひょうじゅんひっすとっきょ(エスイーピー)
特許 技術規格に従わなければ実施できない特許。排除力大。
FRAND原则 FRAND原則
エフアールエーエヌディーげんそく
特許 公平・合理・非差別の条件での実施許諾を求める原則。
商标评审委员会(TRAB) 商標審査委員会(TRAB)
しょうひょうしんさいいんかい(ティーアールエービー)
商標 商標の異議・無効等を審査する独立機関(中国の制度名)。
商标抢注 商標の不正出願(いわゆる抢注)
しょうひょうのふせいしゅつがん(いわゆるジャンチュー)
商標 他者のブランドを先に登録する悪意の出願行為。
海关知识产权备案 税関への権利記録(海関IP备案)
ぜいかんへのけんりきろく(かいかんアイピーはんせき)
商標 模倣品差止めのため税関に権利情報を登録する制度。
生成式AI(深度合成) 生成AI(ディープシンセシス)
せいせいエーアイ(ディープシンセシス)
著作権 学習データから新規コンテンツを自動生成する技術領域。
通知删除程序 通知・削除手続き(Notice-and-Takedown)
つうち・さくじょてつづき(ノーティスアンドテイクダウン)
著作権 権利侵害コンテンツの通報と素早い削除対応の制度。
国家知识产权局(CNIPA) 中国国家知識産権局(CNIPA)
ちゅうごくこっかちしきさんけんきょく(シーエヌアイピーエー)
政策 中国の中央知財行政機関。審査方針や法改正を主管。
损害赔偿金额计算方法 損害賠償額の算定方法
そんがいばいしょうがくのさんていほうほう
政策 権利侵害時の賠償額を算定するための計算基準。
临时禁令 仮処分(臨時差止め)
かりしょぶん(りんじさしとめ)
一般 訴訟前後に発せられる一時的な差止め命令。
证据保全 証拠保全
しょうこほぜん
一般 将来の訴訟に備え証拠を確保・保存する手続き。
技术鉴定 技術鑑定
ぎじゅつかんてい
一般 専門家が技術的争点を評価・報告する鑑定手続き。

本記事は2026年06月22日時点の情報をAIが収集・整理したものです。最新情報は各公式機関にてご確認ください。
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ABOUT ME
しかちゃん
東京理科大学知的財産専門職大学院(MIP)卒。 元大手生活用品メーカーの知財マン、後に事業家に転身。 知財マンとして在職中、商標が専門、広告法や模倣品対策も携わり、語学能力を生かし、中華圏と日本の架け橋の役割を担っていた。現在華誠グループの一員として日本企業の中国事業を法律な観点でサポートしている。 このブログでは中国事業の法律問題について発信している。 ワーカホリックであり、スピーディーな対応を重視している。 何かサポートできるものがあれば、お気軽にご連絡ください。