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商標の国際登録【マドプロ】とは?
商標の国際登録【マドプロ】とは、「マドリッド協定」又は「マドリッド協定議定書」の規定に基づき、マドリッド同盟を構成する締約国間で行われる商標登録です。統計によりますと、2021年1月の時点で、マドリッド同盟は合計107の加盟国(Contracting party or member)を有しています。
マドプロ出願の必須要件は?
1. 出願人の資格
出願人は、一定の主体資格を有していなければなりません。出願人は、中国で真実かつ有効な工商登記済みの経営場所を設けている、或いは中国域内で住所を持っている、或いは中国の国籍を保有していなければなりません。
2. 出願の条件
マドプロ出願の対象となる商標は、中国で既に登録できている商標、又は中国で登録出願して受理された商標のどちらでもいいです。
マドプロはよく聞きます。一つの願書で出願できるので手間がかからないと思います。マドプロを使用するメリットをまとめて教えていただけますか?
そうですね、ではマドプロを利用する場合のメリットをまとめます。
マドプロを利用するメリット
1.費用が安い
加盟国への要求として、徴収する所定の料金が自国での商標登録出願にかかる費用を上回ってはならなず、かつ、変更・譲渡・存続期間の更新は国際事務局への手続を一つ行うだけで、費用を一口支払えば手続きを完了することができます。
2.手続きが簡単
全ての加盟国に適用できる、まとまった完全な商標登録出願のプロセスがあり、登録出願する際は、1つの言語で出願書類を1通提出し、国際事務局1ヶ所に費用を納付するだけでいいです。
3.権利化が早い
マドプロ商標登録は黙認制度に従います。即ち、適用する拒絶通報の期間(12ヶ月又は18ヶ月)内に拒絶理由通知書を受け取らなければ、自動的に権利保護が得られます。
費用が安い、手続きが簡単、権利化が早い、いずれももニーズが高いですね。メリットがある反面、デメリットはありますか?
そうですね、マドプロ商標登録にこれだけ多くのメリットがあっても、やはりデメリットもあります。こちらもまとめてご説明します。
マドプロを利用する場合のデメリット
1.大部分の国が権利証書を発行しない
現在まで、出願人に権利証書を発行しているのは、米国と日本だけです。
2.後続の手続きが完全には整っていない
オフィスアクション、拒絶査定不服審判、異議申立等が発生した場合、なお現地の代理機関に対応の依頼をする必要があります。
3.一部の国はまだマドプロ締約国に入っていない
マドリッド同盟に加入していない国があります。例えば、中東地域の国等。
4.セントラルアタックの問題がある
当該商標の国際登録日から5年以内は、基礎登録又は基礎出願と国際登録が相互依存関係にあります。当該商標の本国での基礎登録が取消もしくは無効になり、又は、
当該商標の本国での基礎出願が拒絶されることにより、当該商標がその他の指定国で受けられていた保護の効力もなくなります。
なるほど、陳先生、本日ありがとうございました。多くの日本企業は中国マドプロの拒絶についても興味がありますので、また今度ぜひ教えてください。