——(2022)京民終174号
「LIA-12均一系化学発光免疫分析装置」のグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)意匠特許権侵害事件において、係争特許には3枚のGUIイメージ図が掲載されており、要約にはこれら3枚のイメージ図がジャンプして変化する動的なプロセスが記載されています。
法廷において被疑侵害製品を実演した結果、当該インターフェイスにおいても同様の変化プロセスが含まれていることが確認されました。
被告は先行技術による抗弁(従来設計)を主張し、係争特許の出願日前にすでに当該製品を公開・販売していたと述べました。あわせて、販売時に添付されていたユーザーマニュアルおよび出願日前に届け出た登録資料には、係争特許の3枚のGUIイメージ図と類似する図が含まれていることを立証しました。
ただし、係争特許に記載されている完全な動的変化プロセスまでは記載されていませんでした。
当該GUIが具現化するのは装置の測定プロセスであり、その順序を逆にすることはあり得ず、測定を行う画面から、結果を印刷する画面へと必ずジャンプします。
係争特許出願日前の被疑侵害製品の3枚の画面画像は、この測定プロセスの主要な3つのノードに対応しており、さらに係争特許に記載されている3枚の静止画と一致することから、3つのノードを連続させた動的な変化プロセスも一致すると推認されます。
これに基づき、被告は、原告が公証人の立ち合いの下で購入した被疑侵害製品に付属していたユーザーマニュアルが、被告が立証した先行販売製品のマニュアルと完全に一致しており、いずれも製品の操作手順と対応するGUIイメージ図を掲載していることから、日常的な経験則に照らして、同じバージョンのマニュアルは同じ製品に対応していると合理的に推定できると主張しました。
よって、被告が先に販売した製品は、原告が購入した製品と同一のGUIを備えていたとみなすべきであるという抗弁を行いました。
さらに、被疑侵害製品の届出登録用初版マニュアルと、正式販売時に添付された第2版マニュアルを比較すると、いずれも3枚のGUIイメージ図に実質的な違いがないことから、届出から発売に至る間にGUIに本質的な変更が加えられていなかったことが示されます。
また、原告の購入時期と被告が先に販売していたと立証した時期の間隔が短く、この期間内にGUIが変更された可能性も極めて低いと判断されます。
これらを踏まえ、裁判所は、被告が先に販売していた製品のGUI変化プロセスが、係争特許の内容と実質的に同一である高い蓋然性があると認定し、原告の請求をすべて棄却する判決を下しました。